今シーズンのコベルコ神戸スティーラーズ戦はひと味違う。SOガットランドがいい。まあサントリーサンゴリアスが勝つとは思ったけど笑【2024.1.6感想】

今シーズンのコベルコ神戸スティーラーズ戦はひと味違う。SOガットランドがいい。まあサントリーサンゴリアスが勝つとは思ったけど笑【2024.1.6感想】

2024年1月6日に東京・秩父宮ラグビー場で行われたラグビーリーグワン2023-24第4節、東京サントリーサンゴリアスvsコベルコ神戸スティーラーズ戦を現地観戦してきました。

 
結果は激しい点の取り合いの末に44-36でサントリーが勝利。戦績を3勝1敗としました。
一方敗れた神戸は開幕2連勝後の2連敗で戦績は2勝2敗となっています。

 


ちょいちょい現地観戦しているリーグワンですが、僕が個人的に応援しているのがコベルコ神戸スティーラズです。
 
ところが昨年、一昨年といまいち振るわず。
 
得点力は高いがそれ以上に失点が多い、下位チームには自慢のオフェンスで大勝ちできるがディフェンスのいい上位チームには通用しない。
典型的な“弱いものには強いけど強いものには弱い”状態が続いていました。
 
 
そんな中、大した期待もせずに2023年12月の練習試合を観て「おや?」と。
「今年はちょっと違うかもしれない」と思った次第です。
 
その辺も併せて試合の感想を言っていきたいと思います。
 
 
ちなみにこの日の観客数は18,867人。

これはかなりすごいんじゃないでしょうか。
正月明けの3連休ということで(僕を含めて)多くの方が会場に足を運んだようです。
 

久しぶりの秩父宮。注目選手がたくさんです笑

この日のキックオフは14:35だったのですが、会場には約1時間前に到着しました。
 
なおJR千駄ヶ谷駅から歩いたところ、国立競技場付近に人がめちゃくちゃいます。
 
よくよく調べると高校サッカーの全国大会真っ最中とのこと。道ゆく人たちの「堀越高校が〜」「青森山田の〜」といった会話で合点がいきました。
 
 
 
久しぶりの秩父宮ラグビー場です。

調べてみたら去年の4月以来でした。
ああ、そんなにご無沙汰だったんですね。
 
 
背もたれが低くて腰に悪い座席もいつも通りです笑

 
チェスリン・コルビキター♪───O(≧∇≦)O────♪

そうそう。
今日のお目当ての1人がこのコルビです。
W杯でコンバージョンキックをチャージしたときは目ん玉が飛び出るくらい驚いたしね笑
 
 
松島幸太郎も登場。

 
この日はコルビが11番、松島が15番の布陣でした。
 
 
アーディー・サベアとブロディ・レタリックのツーショット。

 
改めて両チームともすげえメンバーです。
 

神戸のSOブリン・ガットランドが一番のお目当て。必要だと言い続けた司令塔がようやく…

そしてブリン・ガットランドキター♪───O(≧∇≦)O────♪

実は今回の一番のお目当てがこの人、神戸のSOブリン・ガットランドでございます。
 
以前から僕は
「神戸に足りないのは司令塔」
「ダン・カーターのような強烈なリーダーシップを持ったベテランが必要」
「必要なのは“まとめる”選手」
だと申し上げてきました。


神戸のラグビーは縦横無尽に走り回る展開ラグビー。ポンポンボールを離し、開いたスペースに次々味方が顔を出す。BKもFWもオフロードパスを駆使してボールを動かしまくるスタイルです。
 
そしてこのラグビーを機能させるにはSOの役割が重要になります。
ですが、神戸にはその“強烈なリーダーシップ”を持った司令塔がおらず、それが不審の要因だと思っています。
 
李承信もいい選手ですが、正直ちょっと若すぎる。
そういう意味でもブリン・ガットランドの加入はめちゃくちゃ大きいのではないかと。


これが「今年の神戸はちょっと違うかも?」と思った一番の理由です。
 
 
そうこうしているうちに選手紹介が始まり(ガットランドとコルビにテンションが上がる笑)、


 
両チームの選手が入場。


 
いよいよキックオフです。
 

おもしろい試合だった。コルビ、髙本幹也、堀越康介、松島幸太郎、サベア、レタリックなどなど

試合の感想ですが、いや、おもしろかったですね
たくさん得点が入ったのはもちろん、選手個々の活躍も。
 
チェスリン・コルビの運動量、躊躇のないタックルに度肝を抜かれ、こぼれ球をぶん取ってトライを挙げたシーンでは叫びすぎて喉がガラガラになりました笑
 
また、SOがやたらとセンスあるヤツだなと思ったら、帝京大学の髙本幹也だったんですね。


 
下記の通り去年帝京vs早稲田戦を現地観戦した際に「こいつすげえ」ってなった選手です。
 
帝京が早稲田を下して2年連続優勝。レベチなフィジカルモンスターと大学No.1の司令塔、期待のSH。強いにもほどがある笑
 
って、アーリーエントリーなの?
じゃあ、年齢的にはまだ大学生なのか。
 
すげえな。
マジですげえ。
 
 
HOの堀越康介もよかったです。
どこにでも顔を出す、運動量が半端ない、キープ力、突進力がすごいなど、HOのいいところをすべて兼ね備えている印象。
 
この日のMOMも納得の選出です。


 
あと、松島幸太郎はやっぱりさすがでした。
W杯のときは「ちょっと落ちたかな?」と思いましたが、国内リーグレベルではまだまだ突出している。

コルビとの二枚看板は今シーズンの見どころでございます。
 
 
一方の神戸も自慢の展開ラグビーはいつも通り。
ラインを深く引いてボールをポンポン回して外勝負、いきなり大外に放ってWTBを走らせる等、自由度の高いスタイルは観ていて楽しいです。
 
FLアーディ・サベアに広い裁量を与えるやり方もいいと思いました。
4、5番の両LOが体を張ることでサベアにより多くボールを持たせる作戦。
 
もちろんミスが多いのも相変わらずです。一つ一つのプレーが軽く、勝負どころでポロッと落として「あーーー!!!」っとなる。
観客席から湧き起こるため息はもはや風物詩と言っても過言ではない笑
 
と言いつつ、これをなくしてしまうと神戸のよさも失われてしまうわけで。
完全にトレードオフなのだと納得しております笑
 


 

ガットランドはやっぱりいい。器用さ、思い切りのよさ、力強さその他。神戸に必要な能力を兼ね備えてる

お目当てのブリン・ガットランドですが、なかなかいいんじゃないでしょうか。
 
何度も申しげている通り神戸のスタイルは自由度の高い展開ラグビー。そこに司令塔が加われば不審を脱するのでは? と喚き散らしてきました笑
 
そしてガットランドはその役目をしっかり担えそうです。
 
ダン・カーターほどのカリスマ性はありませんが、手先の器用さ、チャンスで外に放る思い切りのよさ、自分でスペースを見つけて走り込む力強さ等、神戸に必要なもの(だと僕が思っていた)を兼ね備えた選手。
 
肝心なところでポロッとやるのが玉に瑕という話も聞きましたが、それも含めて神戸向きの選手です笑
 


 
いや〜、ええのとったわ。
マジでええのとったわ。
 
そうそう。
こういうヤツが欲しかったんですよ(誰?)。
 
今回はコンバージョンの調子がいまいちでしたが、ここは調子が上がるのを待ちましょう笑
 

今シーズンの神戸はプレーオフは難しい気がする。今回もわかりやすい負け方だったし笑

なお今シーズンの神戸がどの程度やれるか? というと……。
 
正直、プレーオフ進出は難しいと思っています。
 
昨シーズンが12チーム中9位。
今シーズンは順位を2、3つ上げると予想しますが、それでも上位4チームに食い込めるイメージはありません。
たとえばキヤノン、トヨタ、クボタに勝ち越す&静岡や相模原あたりに取りこぼさなければ、もしかしたら……という感じかと。
 
横浜キヤノンイーグルスvsトヨタヴェルブリッツ戦現地観戦。アーロン・スミスとボーデン・バレット、デクラークさんそろい踏み。日産スタジアム過去最多動員だって
 
今回もめちゃくちゃわかりやすかったですからね。
 
サントリーは神戸と同様攻撃型のチームで、横の動きで相手を撹乱→外側のプレイヤーを走らせる流れを得意としています。
また神戸に比べて凡ミスが少なくディフェンスもそれなり。
 
“取られた分取られる”神戸に対してサントリーは“取られたら倍取り返す”スタイルと言えるのではないでしょうか。
 
しかも神戸は思いっきり前半型のチーム。後半に入るとグダグダしてプレーが雑になり、そこにつけ込まれるのが常態化しています。
 
 
諸々を加味すると、神戸はサントリー相手でもある程度点を取ることは可能。勢いのある前半に何本かトライを挙げて、リードしたまま折り返すこともできそう。
 
ただ、後半のグダグダ時間には間違いなく反撃を許す。
そこでサントリーのオフェンスを止めるのは至難の業だろうと。
 
そんな感じで、両チームの先発メンバーと照らし合わせて40-25か45-30くらいでサントリー勝利を予想させていただきました。


いや、もうホントにわかりやすい笑
後半開始早々にサントリーが横の動きよりも縦突進の方が有効だと気づいたのも大きかったですよね。
 
 
あのグダグダ時間を何とかしない限り神戸のプレーオフ進出は難しい気がします。