2022年10月1日に東京・秩父宮ラグビー場で行われたJAPAN XV vs オーストラリアA代表の試合を現地観戦してきました。
結果は34-22でオーストラリアAが勝利。前半を9-6と3点リードで折り返した日本ですが、疲れが見えた後半に4トライを献上、最終的に12点差をつけられ敗戦しています。
📝村上晃一ラグビーコラム📝
🏉#ラグビー日本代表 強化試合 第1戦 レビューコラム🏉
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— J SPORTS🏉ラグビー公式 (@jsports_rugby) October 2, 2022
また今後は10月8日に福岡・ベスト電器スタジアム、10月14日に大阪・ヨドコウ桜スタジアムで同対戦が組まれております。
目次
2万人近く入った秩父宮は壮観。早めに現地に着いたはずが、すでに…
申し上げたように2022年10月1日のJAPAN XV vs オーストラリアA代表戦を秩父宮ラグビーで現地観戦してきました。
観客数は1万9729人。
チケットは完売だったとのことで、観客で埋め尽くされた秩父宮はなかなか壮観です。
僕は最初指定席の抽選に申し込んだのですが、残念ながら外れたので仕方なく自由席(3000円)を購入しております。
ちなみにこの試合は日本もオーストラリアも若手中心ということで、チケットはそこまで売れないのでは? とも言われていました(どこかで見た)。
なので「まあ、自由席でも大丈夫だろ」と気楽に構えていた次第です。
ただ、もしものことがあったらマズいので念のために早めに到着(17:30頃)したところ……。
ビックリするくらい混んでやがる笑
17:00開場、19:00開始予定にも関わらずキックオフ1時間半前にはすでにメインスタンドもバックスタンドもビッシリ状態。余裕があるのはインゴール側とゴール裏のみという。
やむを得ずインゴール側に座ったのですが、いやマジかよと。
しばらくすると両チームの選手がアップを始めます。
僕は普段現地観戦する際はだいたいこのくらいの時間に到着しているのですが、やっぱり自由席より指定席の方がいいですよね。当たり前ですけど。
「いい席を取るために早めに現地へ!!」みたいなのはあまり好きじゃない……。
冠スポンサーのアサヒスーパードライによる“乾杯チャレンジ”。
基本的にお酒を飲まない人間なのでアレですが笑
そして両チームの選手紹介が終わると、
いよいよ(ようやく)キックオフです。
勝てる試合だった。ダブルタックルと裏へのキック、ラインアウトからのスピーディなパス回し
試合の感想ですが、今回は勝てる相手だったなぁと。
恐らく日本チームのテーマ? はディフェンス面は「ダブルタックル」、攻撃面は「ラインの裏にキックを蹴って追いかける」だったと想像します。
ディフェンスでは2人同時にタックルをかましてボールキャリアを止める、オフェンスはいったん相手にボールを取らせてそこを多人数で囲む。どちらにしてもいかに早くスペースを潰すか、どれだけ走れるかがキモになります。
そして、この作戦はそこそこ機能していたと思います。
特に前半は素晴らしい出来。2人がかりのタックルで攻撃を寸断し、裏にキックを転がす→複数人で囲んで早めに潰す流れで相手にやりたいことをやらせません。
逆にオーストラリアAはそこまでぶっ飛んで強くは見えず。
「すぐにでも代表入りできる実力者ばかり」という触れ込みだったのでそれなりに楽しみにしていたのですが、いざ試合が始まってみたら「あれ?」と。
「これってそこまで強いか?」と。
タックルで押し戻される、モール、ラックは押せない、スクラムはミスを繰り返す、ディフェンスは間を抜かれる、などなど。
序盤は日本チームのスピードに面食らっているのが丸わかりでした。
それこそ日本がベストメンバーを組めば大差で勝てたんじゃないの? と思うくらい(前半は)。
先日の「ザ・ラグビーチャンピオンシップ2022」に出場していたワラビーズに比べれば一段も二段も落ちる印象です。
オールブラックスがワラビーズに39-37で逆転勝利。ブレディスローカップ第1戦を制す
特にラインアウトからのタップパスでBKに展開→広いスペースに走り込むパターンはよかったですよね。
ラインアウトでキャッチせずにSHに直にボールを渡すのはかなりリスキーですが、成功すれば相手ディフェンスは確実に出遅れる。
スピーディな展開ラグビーで何度も敵陣深くまで攻め込んだのはお見事でした。
素早いプレッシャーとセットプレーからの外展開でディフェンスを後手に回らせペナルティを誘う。
トライこそ取れませんでしたが、前半のPG3本計9点は上出来だったのではないでしょうか。
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後半も立ち上がりはよかった。途中出場したエースがファーストタッチでトライを決める流れで逆転されるとは笑
後半に入っても日本の勢いは止まらず。
途中交代で入った松島幸太郎がファーストタッチでいきなり右隅にトライを決めます。
まあ、アレはどちらかと言えば12番の中野将伍のパスがよかった気がしますが……。
ハンドオフで1人目をかわし、2人目にタックルを受けながら外にパス。この時点で松島の前には誰もおらず、あとはサイドライン沿いに全力で突っ走るだけ。
割と冗談抜きであのトライで「今日は勝ったろ」と思ったことを告白させていただきます笑
いやだって。
途中出場のエースがいきなりトライを取るなんて最高にノレるやつじゃないっすか。
ここまで完璧な流れができて、まさか逆転されるとは思わないわけで。
ところがオーストラリアの20番ブラッド・ウィルキンにトライを奪われた辺りで試合の流れが変わります。
直後にラインアウトからディフェンスの間を抜かれて独走→追加点を許し、逆にオフェンスではタックルを真正面から受けて勢いを殺されてしまうという。
前半からの流れがあそこで完全に止まってしまいました。
まあ、この時間帯で日本チームの出足がガクッと落ちましたよね。
2人がかりのタックルは詰めが甘くギャップができる、オフェンスはキックの精度が落ちる&追い足が鈍って追いつけない。
集散の遅さによって相手に余裕を与えてしまう典型的なスタミナ切れです。
やろうとしていることは伝わった。あとはペース配分、押し引きの見極めかな
申し上げたようにこの試合で日本チームが目指していたのは先手先手を取る展開ラグビー(だと思う)。
ディフェンスでは極力早めにボールキャリアを囲んで2人がかりでタックルにいく、オフェンスはラインアウトからタップパスでBKにボールを供給、裏にショートパントを上げて多人数で追いかける等、とにかくスピーディなプレーを実行していた印象です。
ただ、このやり方はべらぼうに体力を使います。常に先手を取り続けることで相手に余裕を与えないメリットがある反面、少しでも出足が鈍ると一気に綻びが出る。
試合後に選手が「方向性は正しい」とコメントしていたことを考えると戦略自体は間違っていないのだと思いますが、さすがにアレを80分間継続するのは難しい。
今後はスタミナの配分、押し引きの見極めが大事になってくるのかもしれません。
山中亮平のTMO。
どこをどう見たらこれがトライになるんだよってくらい弾いてましたね笑
なぜこのプレーでTMOを実施したのかがいまだに謎でございます。
この日僕が一番気に入ったオーストラリアの14番スリ・ヴニヴァル。
ダブルタックルを受けても裏に出る突破力と倒れてもすぐに立ち上がる勤勉さを持ち合わせる選手でした。
2023年のW杯後に間違ってリーグワンに来たりしねえかな……。
試合中に起きた反則をそのつどスクリーンで説明してくれるのはいいですよね。
前回女子ラグビーを観戦した際も申し上げましたが、ラグビーはホントに初心者に優しいです。
日本代表vsアイルランド代表、女子ラグビー現地観戦感想
試合後に観客席に挨拶をするオーストラリアチーム。
確かこのシーンがニュースになってましたね。
以上でございます。
結果は残念でしたが、日本チームのいい部分もたくさんあったのでそこはよかったのではないかと。
試合自体も動きが多くおもしろかったです。
なお最初は「そこまで強くない」と思ったオーストラリアA代表さん、クッソ強かったっす笑