日本vsアメリカ戦感想。この相手には40点差をつけたかった。超速ラグビー、どうなんでしょうか?【パシフィックネーションズカップ2024.9.7】

日本vsアメリカ戦感想。この相手には40点差をつけたかった。超速ラグビー、どうなんでしょうか?【パシフィックネーションズカップ2024.9.7】

フィジー、サモア、トンガ、カナダ、日本、アメリカの6か国で開催中の「パシフィックネーションズカップ」。9月7日に埼玉県・熊谷ラグビー場で日本代表とアメリカ代表が対戦、41-24で日本が勝利しています。

 
実を言うとラグビーの試合を観たのは久しぶりで、調べてみると今年5月のリーグワンプレーオフ以来でした。
 
埼玉パナソニックワイルドナイツvs横浜キヤノンイーグルス現地観戦。TMOにイライラし過ぎてw 試合の流れを変えるのは本末転倒だと思うの
 
と言いつつ今回は現地ではなく自宅でテレビ観戦です。
埼玉県まで出向く時間がなかったこと、“日本で一番暑い”と言われる会場に行く気にならなかったことが主な理由です笑
 

開始数分で「日本勝つでしょ」となった。実力的にも条件的にも負ける要素はない

まず今回は開始数分で日本の勝ちを確信しました。


アメリカチームは身体の強さはあっても総合力は高くない(日本に比べて)。
ボールを持った選手が走るコース、当たり方、絡まれた際の対応等、日本に比べて一段落ちる印象を受けました。
 
また全体的に動きが鈍くコンディションもよくなさそう。
 
スケジュールを見るとアメリカチームは前週にカリフォルニア州で試合をしていたとのこと。
しかも28-18という接戦です。
 
この条件の中、高温多湿な熊谷での試合はかなり厳しいのではないか。
 
 
対する日本は2週間のインターバル+ホーム開催。
相手のレベル的にも勝利は最低ノルマ、苦戦すら許されない試合です。
 
前半15分にラインアウトからトライを取ったのを観て
「このまま完膚なきまでに叩きのめせ」
「わずかな希望も与えるな」
「問答無用にフルボッコにしろ」
と思ったことをお伝えします笑
 
理想は40点差以上の勝利。


一瞬たりとも気を抜かずに突き進みやがれと笑
 

トライを返されて悪い流れに。立川理道の投入がうまかったですね

ところが前半30分過ぎあたりにドライビングモールでトライを返されると、後半にも2トライを許します。
 
特に2トライ目を奪われた直後は流れが悪く「おいおい」となりました。
解説の田中史朗氏も言っていましたが、密集サイドのディフェンス、モールで芯を外されて押し込まれるシーンが目に付きます。
 
これは「40点差をつけろ」などと言っている場合じゃない。
まずは試合を落ち着かせて流れを引き戻すところから。


そして、あの局面での立川理道投入は本当にうまかった
 
立川は海外選手ともフィジカル勝負できるモンスターですが、試合の流れを変えるインパクトプレイヤーとしてもめちゃくちゃ優秀です。
向こう数年、堀江翔太に代わる精神的支柱の役割を担うのではないでしょうか。
 
 
高温多湿、汗でボールが滑る中、悪くなりかけた流れを食い止めたのは素晴らしい。
欲を言えば残り10分にもう1トライほしかったですが、40点超えは果たしたのでよしとします(何様?)。
 

エディーの“超速ラグビー”には懐疑的。ロースコアの試合が増える中で点の取り合いを目指すのは…

ちなみにエディー・ジョーンズHCの掲げる“超速ラグビー”に関してはだいぶ懐疑的です笑
 
どんどんパスを回す、素早くリスタートする、縦横無尽に走り回るスタイルは確かに日本との親和性は高い。
ですが、下記でも申し上げたように世界のトレンドとは逆行しているのではないか? と。
 
南アフリカvsニュージーランド感想。NZの攻撃力と南アのディフェンスの勝負。南アのディフェンスがNZを上回ってロースコアの展開に
 
近年のラグビーはロースコアの試合が多くディフェンスの重要性がより高まっています。
 
実際、2023年のW杯でも点の取り合いでアルゼンチンに及ばず予選敗退を喫しました。
決勝トーナメントでも1試合を除くすべての試合が30点以内に収まっています。
 
いわゆるラン中心の点取りラグビーが規律と組織力に跳ね返されたというか。
 
点を取り合うエディーのラグビーはハマれば爆発力を発揮しますが、格上には封じられやすい。
その中で日本の“超速ラグビー”が強豪相手に通用するかはまあまあ疑問です笑
 
日本vsアルゼンチン戦感想。オフェンスは満点、ディフェンスは赤点。解説者「日本のディフェンスが素晴らしい」←え? ホントに?
 

もう少し洗練させたいですよね。今回の相手なら10失点以内に抑えたかった

今回の試合も開始直後はスピーディなパス回し、つなぎ中心の攻めで相手の度肝を抜きましたが、前半30分あたりでしっかり失速しています。
 
足は動いていないのにパス回し、リスタートを急ぐせいでフォローが間に合わない。
ボールを放る回数を増やせばそれだけミスも増える。
結果、ボールが地面を転がる機会が増えていまいち締まらないゲームになる。
 
それこそキック処理ですら“超速”に引っ張られて焦りが見られたほど。
 
 
そもそも前半のあのペースを80分間継続するなど不可能ですからね。
 
失速の幅をいかに小さくできるか、どこまで安定性を高められるか。
今のスタイルを継続するならもう少し洗練させる必要があると思った次第です。
 
 
できれば10失点以内に抑えたかったですよね。
それくらい力の差はあったはずなので。


 

日本は全勝優勝が必須? サモア、フィジーは普通に強敵だと思うけど…

そして次回は9月15日、秩父宮ラグビー場でサモアとの準決勝が行われます。
 
今大会の日本は「全勝優勝が必須」と言われている? らしいですが、どうなんでしょうか。
 
予選を観る限りサモアは普通に強い。
しかも野性的でスピードのあるラグビーは日本が苦手なタイプと合致します。
 
さらに2週間のインターバルをあけての来日です。
言うほど簡単な相手ではない気がするのですが。
 
 
また9月14日にアメリカと対戦するフィジーは過去6回の優勝経験を持つ強豪。予選ではサモアを42-16で圧倒しています。
 
日本にとってフィジーは強敵どころか格上ですらある。
 
正直、この中で優勝できたら文句なしにすごいと思っています。