2024年10月26日に神奈川県・日産スタジアムで開催された「リポビタンDチャレンジカップ2024」。日本代表とニュージーランド代表“オールブラックス”が対戦し、64-19でオールブラックスが勝利しています。
この日の観客は60,057人。
僕も足を運びたいと思っていましたが、残念ながら予定が合わず。
録画していたものをようやく視聴したところです。
なお日本代表は11月から海外遠征がスタート、フランス、ウルグアイ、イングランドとの対戦が予定されています。
目次
感想は前回と同じ「エディーのラグビーは格上に弱い」「“超速”ラグビーにとらわれすぎ」です
とりあえず僕の感想は前回とほぼ同じ。
日本vsフィジー感想。同じパス&ランのスタイルでもフィジーはメリハリがあった。超速ラグビーの参考になれば
- エディー・ジョーンズのラグビーは格下に強く格上に弱い
- 今の日本は“超速”ラグビーにとらわれすぎ
主にこの2つです。
基本的にエディー・ジョーンズのラグビーはグランドを広く使って走り回るスタイルなので必然的に点の取り合いとなる。
その証拠に2024年の日本代表も40点以上の試合(勝っても負けても)ばかりです。
そしてこのラグビーは格下には有効な反面、相手の強度が一定以上になると機能しなくなる。
特にニュージーランドは日本以上にパス回しが得意&全員が縦横無尽に走り回る展開ラグビーが持ち味です。
正直、この相手に点の取り合いを挑んでも勝てる見込みは薄かったのではないでしょうか。
「“超速”ラグビーにとらわれすぎ」についても前回申し上げた通り。
今回も自陣22m内でのキックを大慌てで蹴ったり、ライン際でタックルを受けた選手がオフロードパスを出そうとしてポロったり。
早いパス回し、ボールを止めない意識が不要な部分にまで影響している。
自陣22mのタッチキックが“超速”である必要はまったくない。
タックルを受けた際はまずはキープが優先。
地面に転がったボールをダイレクトでタップするようなギャンブルプレーがあまりに多い。
それこそ自陣22m内でのスローフォワードなど絶対にやってはいけないと思うのですが。
スピーディな展開で相手を置き去りにする局面と確実性を重視する局面のメリハリがうまくいっていない印象です。
前半の真ん中あたりで失速するのも同じ。“超速”と引き換えに失うものがデカすぎる気が…
また前半20分前後で失速するのもいつも通りです。
日本代表、オールブラックスに大敗。“第1クォーター”以降は失速。https://t.co/QYm6wgkfoy#ラグビー日本代表 #BraveBlossoms #AllBlacks #ニュージーランド #JPNvNZL
— ラグビーリパブリック|RUGBY REPUBLIC (@RUGBY_REPUBLIC) October 26, 2024
開始直後は体力も集中力もあるのでチャンスを作れますが、20分を過ぎたあたりでどうしても足が止まる。
そこから先はラインも浅く集散も遅れ気味。
“超速”の意識だけが先行して横移動を繰り返す勢いのない攻撃が続きます。
日本vsアメリカ戦感想。この相手には40点差をつけたかった。超速ラグビー、どうなんでしょうか?
もっと言うと、体力のある時間帯でもあれだけ急げばパスミスは発生しやすくなります。
中でも裏に出た選手がディフェンスに掴まれながらボールを離す際のミスが多い。
「ディフェンスに囲まれた状態で苦し紛れにパス→コントロールが利かずにポロッと」のパターンがめちゃくちゃ目立ちます。
ディフェンスを置き去りにするトライは確かにド派手で見栄えもいいですが、毎回その3倍くらいやらかすのはどうなのよw
しかも自陣では(慌てすぎによる)ミスからのターンオーバー→トライと取られ方がよろしくない。
スピードで勝負する限りある程度のミスは織り込み済みですが、それでも。
- 自陣での不必要な焦り
- チャンスでのパスミス増加
- 早い段階での失速
前半の爆発力とトレードオフと割り切るには失うものが大きすぎる気が……笑
パス回しに慣れているオールブラックス。日本に比べて滑らかでしたね
その点、オールブラックスはスピーディなパス回しに慣れっこでした。
ボールを持った選手がディフェンスに絡まれる→味方を探してオフロードパスを出すまでの流れが日本に比べて滑らか。
タックルの受け方、身体の捻り方もあるのだと思いますが、味方がどんどん顔を出すのがすごい。
球離れのよさを強靭なフィジカルで支えるオールブラックスと付け焼刃の日本。
ジュニア時代からずーっとこれをやってきてるヤツらと同じ土俵で勝負して勝てるわけがない。
何というか、あの人たちは絡まれてから(倒されてから)謎の“もうひと伸び”があるんですよね笑
手がニュルっと伸びたり、ヌルヌルと一歩、二歩進んだり。
単純なフィジカルやスピード、パワーにプラスαを上乗せしてくる印象です。
対応力にも差があった。今回のオールブラックスはぶっ飛んで強くはなかったけど
対応力の面でもオールブラックスはさすがでした。
開始直後は日本の“超速”ラグビーに戸惑ったものの、すぐに落ち着きを取り戻します。
素早い詰めでパス回しを事前に抑え込み、極力ボールキャリアをスピードに乗らせない。
日本の出足が少しでも落ちればあっという間にジャッカル。
さらに日本の攻撃は前半の時点で読まれていた感じもします。
密集サイドのランナーがそのつど“前”で潰されていたのを見ると、走り込むタイミングがバレていた気が……。
そしてひと通り攻略を終えたあとは“自由に楽しく”に移行します。
ラインアウトのロングでSOが走り込む、自陣5mスクラムから逆サイドを攻める等、フリーダムさがより極端に。
試合後のオールブラックスHCの「自分たちのしたいことを実行できた」というコメント通りの試合だったのではないでしょうか。
南アフリカvsニュージーランド感想。NZの攻撃力と南アのディフェンスの勝負。南アのディフェンスがNZを上回ってロースコアの展開に
はっきり言って今回のオールブラックスにぶっ飛んだ強さはなかったと思います。
実際、主力メンバーも少なく後半はハンドリングエラーが増えたりと未熟さが散見されました。
ただ、その相手にこの負け方は……。
日本も若い世代中心だったとか、そういうことではなく。
やり方次第ではもう少し勝負できたのでは? と。