日本vsアルゼンチン戦展望。3試合で2トライしか許していないアルゼンチンをどう崩すか。レメキと松島の個人技に注目【2023.10.8W杯予想】

日本vsアルゼンチン戦展望。3試合で2トライしか許していないアルゼンチンをどう崩すか。レメキと松島の個人技に注目【2023.10.8W杯予想】

開催中のラグビーW杯2023フランス大会、Dグループの日本は現在2勝1敗で3位につけています。そして10月8日に同じく2勝1敗のアルゼンチンと決勝トーメント進出をかけて対戦します。
 
 
Dグループの日程が発表された当初からアルゼンチン戦が大一番になると言われていましたが、今回まさにその試合を迎えることになりました。
 
 
1次リーグ突破の条件については下記で詳しく説明されていますが、
 
「ラグビーW杯 1次リーグ突破条件は?日本は?【すべて 詳しく】」
 
はっきり言ってこんなのは大した問題じゃない。
日本としてはとにかく勝つだけ、得失点差もクソもない一戦です。
 

日本がアルゼンチンに勝つのは難しい? 3試合で2トライしか許していないアルゼンチンのディフェンス

まず最初に。
この試合で日本が勝つのはちょっと難しい気がしています。
 
ここまでの両国の結果を見返すと、

  • 日本42-12チリ
  • 日本12-34イングランド
  • 日本28-22サモア
  • アルゼンチン59-5チリ
  • アルゼンチン10-27イングランド
  • アルゼンチン19-10サモア

各試合、わずかずつアルゼンチンの方がいい成績を残していることがわかります。
 
 
そしてもっと興味深いのが、アルゼンチンがほとんどトライを許していないこと。
チリ戦、サモア戦で1本ずつ、イングランド戦では0本(失点はすべてPG)。3試合で計2トライしかされていないのは特筆すべき点です。
 
一方の日本はチリ戦で2本、サモア戦で3本、イングランド戦で4本のトライを喫しています。
 
それらを踏まえると、ディフェンス面ではアルゼンチンの方が一枚上と言えるのではないでしょうか。
 
日本vsアルゼンチン戦感想。オフェンスは満点、ディフェンスは赤点。解説者「日本のディフェンスが素晴らしい」←え? ホントに?
 

ディフェンスはスピーディな詰めと刺さるタックル、オフェンスはラインアウトとモールが持ち味

アルゼンチンのディフェンスはスピーディな詰めと刺さるようなタックルが特徴です。
 
スピーディな詰めはイングランド、サモアも同様ですが、1人目の鋭さにかけてはアルゼンチンが秀でています。
 
またバックスは外に流すやり方で、大外の選手にボールが渡ってもうまく囲い込むことが可能。この辺はイングランドと共通しています。
 
そして、恐らく日本はこれ系のディフェンスが苦手。今回もかなり攻めあぐねると予想します。
 
日本vsサモア感想。確実性の高いプレーで日本が勝利。両チームともテストマッチから大幅な改善が見られた
 
オフェンス面で言うと、アルゼンチンはラインアウトとモールの強さが際立っています。
 
マイボールラインアウトを確実にキープし、しっかりモールを作ってじわじわ前進。相手を後手に回らせたところで密集サイドをGO、もしくは外展開で勝負をかける流れを得意としています。
 
特に敵陣5mのラインアウトは必勝パターンの一つ。
 
先日のチリ戦でもゴール前のFW戦でチリを圧倒していた上に、過去の映像でも「ラインアウトでマイボールを確保→ドライビングモールで前進→そのままゴールラインに雪崩れ込む」シーンが山ほど出てきます。
 

アルゼンチン攻略にはイングランドが参考になる。早めにスペースを潰して糞詰まりを起こさせる

アルゼンチンを攻略するには、

  • ディフェンスはスピーディな詰め
  • オフェンスは個人技

が有効だと思っています。
 
 
ディフェンス面でもっとも参考になりそうなのはやはり先日のイングランドです。
 
前回もちょろっと申し上げましたが、イングランドはスピーディかつ組織的な詰めでアルゼンチンを機能不全に陥らせました。
 
日本vsイングランド戦展望。厳しい試合になりそう。ロースコアで勝つしかない? 失点を20点以内に抑えて25点くらい取れれば
 
アルゼンチンのオフェンスは1人目のランと2人目以降の長いパスを軸としたスタイルです。
 
ボールキャリアがサイドにステップを切る、外に放ると見せかけて内に突進する等、コンタクトが発生する直前に一つ、二つアクションを入れるケースが目立ちます。
 
これはグランドを広く使えるやり方ですが、その反面、スペースを潰されると途端に機能しなくなります。
 
ボールキャリアに早めのプレッシャーをかけることでアクションを起こさせない、味方を探す時間を与えない。
前回イングランドが実行したのがまさにコレでした。
 
なので、日本もとにかく素早いプレッシャー、複数人による組織的なディフェンスでアルゼンチンの攻撃を封じたい。
糞詰まりを起こさせてミスを誘発→より多くPGの機会を得ることが重要かなぁと。
 

個人技で崩される傾向。日本はレメキ・ロマノ・ラヴァと松島幸太郎のランに注目

「オフェンスは個人技」と申し上げましたが、これに関してはディフェンスよりもさらに大事&困難になると思っています。
 
アルゼンチンの過去の試合を観ると、このチームはBKのランで崩される傾向がある。
 
今年7月の「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」(南半球4カ国対抗戦)のオーストラリア戦、南アフリカ戦を観たところ、BKの個人技で裏に出られる→ビッグゲインからトライを奪われるシーンが散見されました。
 
アルゼンチンのディフェンスはスピーディな詰めと大外で囲むやり方だと申し上げましたが、その外側を細かいステップで抜かれるパターンです。
 
 
ここまでの3試合、日本はどちらかと言えば“全員で攻める”オフェンスを重視しています。
 
ですが、あのやり方では恐らくアルゼンチンには通用しない。それこそイングランド戦同様、ノートライで終わる可能性すらある? かも?
 
ニュージーランドvsアルゼンチン感想。ロスプーマスのダブルタックルが秀逸
 
そして、そこを打破するにはやはり個人技が有効です。
オーストラリアも南アフリカも外側に快速ランナーを擁するチームですが、日本も可能であればこれを踏襲したいところ。
 
本田圭佑の言う“個の力”に頼るのがいいと思います(やかましい笑)。
 
そう考えると、今回キーになりそうなのはレメキ・ロマノ・ラヴァと松島幸太郎。この2人がどれだけ活躍できるか、自由なプレーを許されるかにかかっているのではないでしょうか。
 

勝敗予想はアルゼンチンの勝利。日本が勝利するにはアルゼンチンを2トライ以内に抑えることが必須?

具体的な勝敗ですが、僕は残念ながらアルゼンチンの勝ちを予想します。
 
何となく日本は3トライ前後は取られそうな印象。
逆に日本は多くても2トライ前後。
 
そこに両チームとも数本ずつのPGが加算されると仮定して、得点は30-20、25-10くらい。だいたい10〜15点差でアルゼンチンの勝利を予想しています。
 
 
仮に日本が勝つならアルゼンチンを2トライ以内に抑える+PGを量産するパターン。
 
いくら考えても日本がアルゼンチンのディフェンスを攻略するイメージが沸かないので、勝利のためにはとにかく3点ずつ刻むしかない。
 
たとえばトライ2本&PGを3本として合計で20点ちょい。
アルゼンチンをトライ、PGともに2本以内に抑えることができればMAXでも20失点。
 
ギリギリ鼻差でちぎれれば……といった感じでしょうか。
 
 
 
いや、ホントに今回ばっかりは予想が外れてほしいですね。
日本の決勝トーナメント進出をめちゃくちゃ願っております。
 
勝敗予想はアルゼンチンですが。