2023年9月18日午前4:00(日本時間)にキックオフが予定される日本vsイングランド戦。
日本はチリに42-12、イングランドはアルゼンチンに27-10で勝利してこの試合を迎えます。
日本がチリに快勝で勝ち点5を獲得。普通にやれば勝てると言われる中できっちり勝つのが日本ラグビーの進化ですよね
初戦で勝ち点5を得た日本にとって今回のイングランド戦は一つの山場と言われており、なおかつ2022年のテストマッチで13-52と大敗を喫した相手でもあります。
というわけで今回もラグビーW杯フランス大会、日本戦の展望を考えていくことにします。
ちなみにイングランドは昨年12月に元日本代表HCのエディ・ジョーンズ氏が突如解任されたことが話題になりました。
名将エディー・ジョーンズが電撃解任…ラグビーW杯まで9カ月なのになぜ? 協会による“冷酷な聞き取り調査”と“観衆8万人のブーイング”(竹鼻智)#ラグビー #rugbyjp #エディー・ジョーンズ #RWC2023 https://t.co/WnCk4LOu0e
— Number編集部 (@numberweb) December 10, 2022
目次
結構厳しい試合になりそう。日本が勝つとすれば失点を20点以内に抑えてのロースコア勝負?
まず結論から申し上げると、この試合で日本が勝つのは結構難しいと思っています。
先日のイングランドvsアルゼンチン戦を観たところ、イングランドはディフェンスがかなりいい。
また、オフェンス面は敵陣でFKを得ればほぼ100%PGを選択する徹底ぶり。
鉄壁の守りで相手の攻撃を封じながら3点ずつ刻むロースコア勝負(30点前後)を得意とする印象です。
なので、日本が取れるのはだいたい20点前後、MAXでも25点くらいだと予想します。
2022年のテストマッチで52失点していることを考えると、勝利するには失点を半分以下に抑えることが必須になります。
勝敗予想としては、ざっくり35-20、30-15くらいでイングランドの勝ち。
日本が勝つとすれば25-15とか、25-20とか?
とにかく20失点以内が絶対条件になるのではないでしょうか。
エディ・ジョーンズ解任後にスタイルがガラッと変わったイングランド。キックを多用してひたすら空中戦
ただ、イングランドはエディ・ジョーンズ時代からプレースタイルがガラッと変わっています。
2022年のイングランドvs日本戦と直近の試合では別のチームと言ってもいいくらい。
特に違うのがキックの使用頻度。
エディ時代は敵陣でペナルティを得てもラインアウトで勝負したり、自陣22mから意表をついてパスを回したりと比較的自由度の高いラグビーを採用していました。
ところが直近の試合ではとにかくキックを多用します。自陣からはとりあえずハイパントを上げて空中戦、上述の通り敵陣でペナルティを得ればほぼ100%PGを選択します。
HC交代直後は空中戦に慣れずにポロポロするシーンが目立ちましたが、前回のアルゼンチン戦やその前のテストマッチではかなり馴染んできた印象。
相手に取らせる際も絶妙なタックルでファンブルさせたり、直後のラックでターンオーバーしたり。
空中で競るやり方はどうしてもスクラムが増えますが、そこでマイボールをキープする確率も高い。
マジな話、この短期間でよくここまで仕上げてきたなと思います。
エディ解任はちょっと理解できる。爆発力はないけど“負けにくい”ラグビー
と同時に今のイングランドを観るとエディが解任された理由もちょっとだけ理解できます笑
自由度の高いラグビーはド派手で爆発力もありますが、コケるときはとことんコケる。格下には強さを発揮しても同等以上の相手にはケチョンケチョンにされる危険が伴う。
一方、キックとディフェンス重視のスタイルは大崩れがない。3点ずつ刻む分、圧勝がない代わりにどんな相手でも一定以上の勝負ができます。
はっきり言って、優勝を狙うならエディのラグビーの方が可能性は大きい。
その反面、“負けにくい”のは断然今のスタイルです。
どちらが正解かは僕にはわかりませんが、恐らくファンのブーイングを鎮めるために偉い人たちが大慌てで“置きにいった”のだと想像します笑
スピーディな詰め、外側に押し出すディフェンス。自陣でほとんどペナルティを犯さない堅実さ
申し上げた通りイングランドはキックとディフェンスのチームです。
1フェーズ目のプレッシャーがとにかく早くあっという間にスペースを潰してしまう。
それこそパスを2回出したら糞詰まりになるほど。前回のアルゼンチンはこのスピーディな詰めでガタガタにされました。
内側を素早く詰める分、外側にスペースができやすい側面がありますが、ここの処理もまたうまい。
外のプレイヤーがパスコースを塞ぎつつ外側に押し出すようにプレッシャーをかけ、相手WTBがパスを受けた瞬間にガバッと囲んで動きを封じる。
多少裏に出られてもビッグゲインだけは絶対に許さない。安心感、安定感のあるディフェンスです。
ハイパントからの空中戦で相手のハンドリングミスを誘う、密集では積極的にジャッカルを狙う。
近場でフェーズを重ねながら相手のミスを待ち、ペナルティを獲得すれば迷いなくPGを選択する。
自陣では1人目のスピーディな詰め、外側に追い出すディフェンスでまともにゲインを許さない。ほとんどペナルティを犯さない。
まさしく大爆発はしないけど“負けにくい”ラグビーというヤツです。
イングランド攻略には“ずらし”が有効。日本は外勝負で挑んだけど、うまくいかなかった
恐らくですが、このチームを攻略するには“ずらし”が有効になります。
今年8月のテストマッチ、イングランドvsウェールズ戦でウェールズがやっていたのがまさにコレ。
相手に当たる瞬間に半マークずらす、近場に走り込んできたフォロワーにパスを浮かすやり方です。
1人目、2人目が猛烈なスピードでタックルにくるためオフェンスは糞詰まりを起こしやすいと申し上げましたが、その反面横の動きにはやや弱くコンタクトの直前に芯をずらすことでディフェンスの間を抜くことが可能になります。
チーム内の意思の疎通が重要な作戦ですが、テストマッチでのウェールズはここが徹底されていました。
一方、去年11月に52失点を喫した日本は外勝負を選択しました。
素早い球出し、細かいパス回しでなるべく早く外にボールを送る。左右にボールを散らすことでイングランドのディフェンスを機能させない作戦です。
この作戦はある程度機能したものの、やはり肝心の外を突破しきれません。
WTBやFBがボールをもらってもすぐに囲まれ、あっという間に身動きが取れなくなる。
苦し紛れのパスを放ってターンオーバー、もしくはボールが手につかずにノックオンというパターンです。
バックスリーに絶対的なランナーがいれば違ったとは思いますが、残念ながら日本のBKはそこまでではなく。切り札の松島幸太郎もやや下降線に入った気がします。
ディフェンスにカツカツにされるパターンかなぁ。イングランドのペナルティ連発に期待するしか?
上述の通りイングランドを攻略するにはコンタクトの瞬間に芯を“ずらして当たる”ことが重要。
ただ、日本はどちらかと言えば正面から当たる→確実な球出しを得意としています。
そもそも僕自身、日本がああいう“ずらし”を多用するシーンをあまり観たことがありません。
諸々を加味すると、アルゼンチン同様、接点の部分で糞詰まりを起こしてカツカツにされるパターンが濃厚かなと思っています。
仮に日本が勝つならイングランドがペナルティを連発してくれること、キックの調子が上がらないことが条件になりそう。
日本は自陣でのペナルティは極力少なく、SO松田力也はPGの成功率9割をノルマとして。
非常に他力本願ですが笑
前回のジョージ・フォードが神ってた件。ドロップゴールってカッコいいよね笑
というか、前回はジョージ・フォードが神がかってましたからね。
前半だけでドロップゴール3本は想像をはるかに超えておりました。
ハイパントを警戒して引いて守るとドロップゴールを蹴られる。
かと言って、焦って前に出るとペナルティを犯してしまう。
アルゼンチンとしては完全にお手上げ状態でした。
正直、日本戦でジョージ・フォードにあのパフォーマンスをされたらどうしようもない。その場合は素直に諦めましょう笑
【 #ラグビー W杯】イングランドSOフォード「DGは常にプランにある」DG3本、PG6本で27得点稼ぎ勝利導く #スポーツ #sports #ニュース https://t.co/PyZpS3ydVy
— スポーツ報知 (@SportsHochi) September 9, 2023
てか、ドロップゴールってめちゃくちゃカッコいいですよね笑
個人的にラグビーの全プレーの中でトップクラスに絵になると思っています。